モンテッソーリ教育とは

 モンテッソーリ教育というのは、ご存じかも知れませんが、1870年(明治3年)に生まれ82歳で(昭和27年に)亡くなった「マリア・モンテッソーリ女史」が構築した教育法のことです。彼女はイタリアで最初の女性医師になりました。

医師であるモンテッソーリ先生は、自然が定めたプログラムに沿って成長していく子どもを客観的に観察することによって、子どもを理解し、子どもの特徴や潜在能力を発見しました。そして、子どもには自らを成長・発達させる力が備わっている、又私達はその生命を援助していくことができるという信念に至りました。

1907年、ローマのサン・ロレンツォに子どもの家(casa dei bambini)を設立してから現在までに世界各国に普及し、現在の教育界、心理学界、精神医学界においても卓越性が再確認されています。人格形成のいちばん大切な時期に自主性・協調性・社会性を育み、創造性を発揮しつつ、物事にじっくり取り組み、喜びに満ちた本来の子どもの姿の実現を目指しています。
 具体的には、モンテッソーリの幼稚園教育には5つの分野があります。

 

 

日常生活の練習

自立を支える基本的な技術を学びます。自ら選び取った作業を自身で完成させることにより自立心を養い、自信、品位、困難を克服する喜び、集中力を身につけます。また、実際に手を使い様々な経験をすることが後の知的活動の基盤を作る事にもなります。

 

 

感覚

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5感覚を洗練させる活動です。
具体物を、「対にする」、「段階づける」、「分類する」の3つの操作により、それぞれの感覚をはっきり認識できるようになり、概念形成ができます。これらの論理的な活動は数学的頭脳の育成にもなります。

言語

文字を書き、読みます。品詞の理解、構文の理解を通し正確かつ的確に自己を表現することができるようになります。また、書物を読む力を身につけることによって自分自身で知識を深め、自己を高めていけるような子どもに成長できることをめざします。
他人の考えを理解したり、自分を上手に主張できるようになったり、また、熟考できる円満な人格の育成に役立ちます。



整数の量、数詞、数字の一致からスタートし、十進法の理解、四則計算の概念形成を行います。感覚教育で養った「対にする(同一性)」「段階づけ(漸次性)」「分類(同類項の整理)」が数字によって表される抽象の世界で、より明確に量を表すことを知ります。冷静に物事を観察し、判断できるような論理的思考力を養うことにより、成熟した人格の育成ができます。

文化

地理、歴史、生物、音楽、美術等、幼児の興味にそって提供します。特に地理、歴史、生物では、対象を地球的規模でとらえ、命の大切さ、自分が生まれてきたことの意義を見出せるよう援助します。また、これらには平和を愛する大人へと成長できるようにとのねらいがあります。モンテッソーリ教育の究極の目的は、教育を通して世界平和を目指すことなのです。